「トイプードルのような小型犬は家の中でも運動量が十分とれるので必要ないのでは?」、と思われるのは間違いです。トイプードルの散歩は運動だけが目的ではないのです。運動だけで言えば、家の中でボール遊びなどの自由運動をするほうが運動量は多くなります。
しかしトイプードルの散歩は運動以外にたくさんの大切な要素が含まれています。まず外の空気を吸い日光浴もするというストレス発散もありますが、一番大切なことはトイプードルの社会化です。
人間社会で暮らす以上は、いろんな文明に接触するし他人との出会い他の犬との出会いがあります。それによって社会化が進み、穏やかな精神性が養われます。よく「家のトイプードルは吠えるから」と言って散歩に連れ出さない飼い主さんがいますが、逆効果になってしまいます。
人間もトイプードルも同じ哺乳類です。経験や慣れを通して多くの事を学び、精神的な適応もしていきます。その機会を奪えばますます怖がりになり威嚇性が強まり、ドンドン非社交的で吠えるトイプードルになってしまいます。
むしろ来客の前に連れ出したり、犬が多く通る散歩コースに連れ出し、慣れさせ、吠えたらそこで教える・・だから覚えられるし、慣れることが出来るのです。
それからリーダーウォークという手法があります。トイプードルのペースに合わせず毅然と飼い主のペースで歩き、時にはワザと急に止まったり曲がったりして飼い主に注目させ、常に飼い主が主導して歩く・・そんな散歩を心掛けてください。
ただ、家に来たばかりのトイプードルの子犬が急にすんなり外を散歩できるわけがありません。まずは家の中で最初は遊び感覚から、少しずつ人間に並走して歩くことから覚えさせます。また首輪やリードを怖がるトイプードルの子犬もいるので、最初の数日間は無理に装着せず、多く見せ臭いを嗅がせまた遊ばせて「慣れる」事からはじめましょう。散歩やトイプードルのしつけ方は何でもそうですが、急にアレコレしないで少しずつ根気良くやっていかなければいけません。
それから散歩中ですが、地面の臭いを嗅がせたり、草むらに顔を突っ込ませるのは止めさせましょう。東京の都会でもタヌキが居るくらいです。色んなところに動物の糞尿や病原菌・ダニなどが待ち受けています。そういった接触のリスクを防ぐのも飼い主さんの役目です。
それから外の散歩は真夏の日中は厳禁です。犬は寒さに適応した動物なので寒い冬は平気ですが、日本の蒸し暑い夏は苦手です。トイプードルは小さいのでアスファルトの熱をまともに受け、人間の体感温度よりも激しい暑さを受けます。夏の散歩は道路の表面温度が下がってから出発しましょう。
一日最低30分以上から1時間くらいは散歩か運動をしましょう。もちろん雨が降っている日は無理せず、家でボール遊びなどをさせましょう。